この記事は、Thunderbird がメッセージをディスクにどのように保存しているかを説明し、メッセージフォルダーを定期的に最適化する必要がある理由を説明します。最適化は、定期的なファイルメンテナンスプロセス (時々「パージ」と言われることもあります) で、メッセージを変更したり削除したりすることなくディスクの空き容量を回復させます。
目次
Thunderbird はメッセージをどのように格納しているか
Thunderbird は、2 つの格納方式を持っています:
- MBOX が既定のデフォルト ファイル形式で、フォルダー内のすべてのメッセージがディスク上の 1 個のファイルに格納されています。これにより、最適化プロセスが便利になり、その方法と理由を説明することがこの記事の目的です。
- Maildir はあたらしい格納形式で、フォルダー内のすべてのメッセージが別々のファイルに格納されています。Maildir は、最適化する必要がなく、この記事は、Maildir フォルダーには適用されません。
最適化によって行われないこと
最適化 (パージ) は、メンテナンスプロセスのため、以下のことは行われません:
- フォルダーからメッセージを削除 しません
- ゴミ箱や迷惑メールフォルダーからメッセージを削除 しません
- zip のような圧縮アルゴリズムを使用したフォルダーの圧縮を 行いません
メッセージを削除したり、Thunderbird を起動したとき、最適化を促すプロンプトが表示されることがあります。これは正常な動作で、不安に思う必要はありません。なぜなら、最適化はメッセージを削除 しない ためです。
最適化を行っても大丈夫か?
最適化 (パージ) は、正常なメンテナンス (理由 は後述) であり、最適化の進行を許可しても大丈夫です。
フォルダーの最適化 プロンプト
フォルダーの最適化 プロンプトは、ある最適化のしきい値に達したときに表示されます。
ボタンを選択して、最適化の進行を許可するか、都合が悪い場合 を選択できます (Thunderbird 78 では、続行 と キャンセル ボタンが表示されていました)。また、プロンプトにはチェックボックスがあります: 。プロンプトが再び表示されないように、このオプションにチェックを入れて ボタン (Thunderbird 78 では 続行) を選択すると、必要なときに最適化が自動的に実行されます。プロンプトを表示させたくない場合、このチェックボックスを使用してください。
なぜ最適化が必要なのか?
既定デフォルト で、フォルダーは MBOX 形式 で格納され、Thuderbird を日々利用することにより、以下のことが起きるため、これらのフォルダーは定期的に整理するる必要があります:
- 新しい新規 メールを受信するなどして、フォルダーにメッセージが追加されると、MBOX ファイルのサイズが大きくなります。
- メッセージを削除したり、フィルタリングしたり、別のフォルダーへ移動したりしても、MBOX ファイルのサイズがすぐに小さくなることは ありません。性能上の理由から、削除されたメッセージは論理的に削除マークが付けられるため、フォルダーのサイズは小さくなりません。このギャップは、汚れのようなもので、最終的には最適化操作で削除 (パージ) されます。
最適化はいつ実行されますか?
最適化は以下の時に発生します:
- フォルダーを右クリックして、 を選択して 1 つのフォルダーを最適化する時
- を選択して、アカウント内のすべてのフォルダーを最適化する時
- 自動最適化のしきい値 (設定 は後述) を超え、ギャップを削除することで、ディスクの空き容量を確保する時。メッセージの削除はこれらのギャップを引き起こすため、メッセージを削除しただけで、フォルダーを最適化 のプロンプトがよく表示されることがあります。
最適化を設定するには?
> >
>設定で以下のことが行えます:
- 自動最適化を無効化する (フォルダーが定期的に整理されず、削除されたメッセージが残り続けるため、推奨されません)
- 最適化のしきい値の変更 - 高い値を設定すると最適化の頻度が少なくなります (例えば、大きなメッセージや大量のメッセージを取り扱う場合、大きなしきい値を使用するとよいでしょう)
- プロンプトが表示させるか、プロンプトを表示させずに自動最適化を行うかを選択できます (Thunderbird 91 の新機能)。注記: 設定内のチェックボックスとプロンプト内のチェックボックスは、表現が異なっており、逆のことを意味しています。
最適化はどのように動作しますか?
Thunderbird がディスク上の MBOX ファイル (例えば Inbox ファイル) を開き、MBOX メール形式の規則を基に、一度にファイル内の 1 件のメッセージが読まれます:
- メッセージが現存している場合、そのメッセージは Nstmp と呼ばれる新しい一時的な MBOX ファイルにコピーされます。
- メッセージに削除マークや移動マークが付けられている場合、そのメッセージはスキップされ、一時的な MBOX ファイルに移動されません。
この処理がフォルダ内のすべてのメッセージに対して繰り返されます。元のメッセージを格納したファイルは削除されると、上記の新しいファイルと置き換えられ、このメッセージファイルの新しい index (例えば Inbox.msf と呼ばれるファイル) が作成されます。その結果、ギャップ (汚れ) が無くなります。
最適化の処理中は、ステータスバーに進捗が表示されます:
潜在的な悩み
多くのユーザーは、最適化プロセスの最中または後で、困ることはありません。しかし、最適化は、大きな IO 処理を伴うため、フォルダーの問題や動作が遅くなるという体験をするかもしれません。これは、アンチウイルスソフトの監視が Thunderbird プロファイルディレクトリー を排除しない場合さらに起きやすくなります。詳しい情報は、Compacting folders - Potential complications をご覧ください。
参照
- Thunderbird Tweaks ブログ に関連する記事があります: "Compacting :- What is it and Why must I do it." (英語)